【小笠池周回と小笠神社・小笠山 コース】
小笠池は小笠山の南方に位置して、小笠神社の南側の下に有る灌漑用のため池です。池の周りには遊歩道が整備され、池を渡る吊り橋、池に浮かぶ浮桟橋、コウモリが舞う三つの素掘りのトンネル(※)など、冒険心をあおるコースは子供たちに人気の場所です。また野鳥の観察やイワタバコの群生など、豊かな自然を味わうことが出来ます。小笠池を一周りしたら小笠神社へ、そして小笠山山頂へと歩きましょう。
※素掘りトンネルの通過には懐中電灯(又はヘッドライト)が必要です。また梅雨時や大雨の後は第3トンネル内には水溜まりが発生し長靴が必要な場合があります。
【コース概要】
【小笠池周回】
小笠池駐車場(5分)-小笠池浮桟橋 (3分)-矢矧橋(15分)-第3トンネル(15分)-第2トンネル・第1トンネル(10分)-小笠池 【実歩行時間 50分 】
【小笠山山頂 往復】
小笠池(20分)-小笠神社(15分)-小笠山山頂(10分)-
小笠神社(15分)-小笠池駐車場
【実歩行時間 1.0H 】
【小笠山憩いの森】
小笠池の周辺は、静岡県が「小笠山憩いの森」として整備、遊歩道や吊橋、野鳥観察小屋などがあり、小笠山の豊かな自然を楽しむことが出来ます。
小笠池駐車場へは掛川市入山瀬から入ります。駐車場は15台程度が駐車可能、またトイレも有ります。
出発は正面堤防の右手のコンクリート製階段より(指導標あり)。堤防脇を登り詰めると緑の中に水をたたえた小笠池が広がります。池には浮桟橋の先に東屋が浮かび、その後方、北側、緑の山の上に小笠神社が見えます。
この小笠池をひと回りする遊歩道は池の右手より進むと、直ぐに左手に浮桟橋が現れます。
池に浮かぶ桟橋の先端には東屋が有り、ここは普段見られない池の中心部から周囲を眺められます。またランチタイムに恰好の場所です。
矢矧橋は年数が経過し床板が老朽化してきていますので慎重に歩いてください。
浮桟橋を後に更に遊歩道を進むと吊橋(矢矧橋)が出て来ます。緑に包まれた静かな池の水面を下に見ながら対岸へと渡ります。
橋を渡りきるといよいよ道は山道へと変わります。滑りやすい所も有りますので、慎重に進みましょう。左手下に池を見ながら進む自然林の道にはコシダやウラジロなど、沢山のシダが見られます。小笠山はシダ類の宝庫で、176種類のシダ類が確認されています。
遊歩道が池の奥まった方向に進んで行くと小さな橋を渡ります。渡り切ると正面には小砂利の詰まった岩肌の壁が立っています。これはその昔(まだ日本列島が大陸と繋がっていたころ)大井川の流れが土砂を運び小笠礫層を形成したもので、小笠山の生い立ちを知ることが出来ます。道は幾分広まった道を左手に取ります。
正面に第3トンネルが現れて来ます。トンネル内は照明が無く真っ暗です。ここで懐中電灯やヘッドランプを準備しましょう。内部は溝が有りますので足元には十分注意して通行してください。トンネルの長さは約20m。暗闇の中にコウモリの舞う姿が見られることも有ります。
このトンネルは梅雨の頃や大雨の後には水溜まりが発生し、長靴が必要な場合もあります。
第3トンネルを抜けると第2トンネルが現れます。第2トンネルも暗く、水溜まりがある場合があります。
そして次に現れるのが第1トンネルです。このトンネルが最も長く約50m、真っ暗な内部の前方に出口の明かりが遠く見えます。足元には溝があり路面が荒れています。ライトで路面状況を確認し転倒しないように十分注意して歩きましょう。
スリル満点のトンネルを通過すると右手の岩壁にイワタバコの群生を見ることが出来ます。初夏には沢山の紫色の小さな花を付けます。そのまま道を進めば出発点の小笠池の駐車場に行きます。小笠神社や小笠山山頂に向かう場合には、第1トンネル出口を左手に進み、小笠池の堤体上へと進みます。
夏に咲くイワタバコの花は涼やかで癒やされます。
【小笠神社・小笠山へのコース】
小笠池の堤体上からそのまま直進(北進)して、坂道を登って行くと舗装された車道に出ます。
更に車道を左手に登って行くと駐車場が現れます。小笠神社へはこの駐車場が一番近い駐車場と成ります。
大きな鳥居をくぐると木漏れ日の中、ウバメガシに囲まれた参道を小笠神社へと進みます。
その先、小石の詰まった小笠礫層の岩肌を見ることが出来ます。階段を登って行くと左手の岩盤に張り付く様に根を延ばしている樹木が有ります。 周辺にはヒトツバが群生しています。また、岩場には役行者の石仏が祀られ、小笠山がその昔修験の山だったことが伺われます。
長い石の階段を登り詰めると小笠神社です。小笠神社の創建は大変古く大宝2年(702年)、時の文武天皇の后が男子誕生の願いが叶い、「遠州の熊野三山」建てる。小笠神社は熊野三山の那智大社のあたるとのことです。
小笠神社では11月第一日曜日に矢矧祭があり、破魔矢を放つ神事やお神楽、稚児行列などが行われます。
神社からは東方に眺望が開け、牧之原台地の茶園の広がった先に富士山を望むことが出来るでしょう。 その先の社務所前にはベンチが並び、ここも絶好のランチタイム場所、前方に高天神城址や沢山の風力発電のプロペラが回る遠州灘が広がります。また、社務所のトイレも利用可能です。
ゆっくりと昼食や休憩を取った後は小笠山山頂に向かいます。良く整備された参道を登って行きますと、「笹ヶ峰御殿址」の表示が出て来ます。ここは戦国時代に徳川家康が小笠山砦を築き、高天神城や掛川城を攻めた場所。御殿址や空堀が残ります。徳川家康もこの地より高天神城や掛川城を望み、策を練ったことでしょう。
シダの茂る緩やかな道を進むと右手に多聞天神社が現れてきます。この神社にはその昔浅羽村(現在の袋井市浅羽)に住む小太夫という名の笛の上手な少年が、小笠山の天狗三広坊に口説かれて、山に入って修行を積み、やがて小笠山の守護役として多聞天という天狗になったとの伝説が有ります。また「天狗の爪」など信仰もあり歴史を感じます。
その先に大きな幹回り3mの小笠山で一番のアカガシの木が現れると、ここが小笠山登山道のメイン十字路。直進すれば袋井方面へ、左方面はアンテナ塔を通り本谷、長坂峠を経て袋井市岡崎にある健康増進施設「風見の丘」方面へ、小笠山山頂へは右手(山頂・掛川駅方面)へと取ります。道を間違えないように設置してある道標で確認しましょう。
直ぐに右手が大きく切れ落ちた浸食地の通過は要注意です。切れ落ちた谷間は六枚屏風の源頭です。小笠山は北面が大きく浸食されて、幾つもの谷筋を形成しています。これはケスタ地形呼ばれ、その昔(日本列島が大陸とつ繋がっていたころ) 海底だった掛川層群(泥層)が隆起、その上に大井川の流れが砂利を運び小笠礫層が隆起して形成されました。そして柔らかい掛川層群が浸食されていくつもの谷が形成されたものです。
切れ落ちた谷の脇を通過すると直ぐに右手に四等三角点(264.8m)と山座柱が建つ山頂に着きます。展望は有りませんが山頂から更に先に進むと、掛川市街地が一望できます。
※山頂から登山道をそのまま直進すれば掛川駅や腹摺峠・エコパの各方面へと進みます。
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小笠山を愛する協議会
代表: 中山幸男
事務局長: 鈴木久裕
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