地質


小笠山の地質

今から100万年前、日本列島が大陸と地続き、日本海も大きな湖であったころ、大井川は現在とちがって掛川付近で太平洋に注いでいた。上流から下流に運ばれた土砂などで扇状地が形成。この扇状地が隆起し、小笠山となった。小笠山の大部分は小笠礫層と呼ばれる堆積物(河床堆積物・河口堆積物)でつくられている。この礫層の厚さは掛川市東大谷で190m以上に達する。小笠礫層の上半分は法多層、下半分は小笠層と名付けられている。法多層は地層としては未熟で、粗い礫がまだ十分に固結していない。小笠層は固結が進んで礫も丸く磨かれている。小笠礫層の下には掛川層群に属する曽我累層と土方泥層がある。曽我累層の厚さは、西北部で200~300m、南東部で400mに達する。小笠山は、山頂から北東側が急で崖もある。一方南西側が緩やかである。このような特殊な地形を「ケスタ地形」と呼ぶ。これは小笠礫層は浸食されにくく、掛川層群は海底堆積物で浸食されやすいためである。

(参考図書:小笠山関係市町村協議会発行の小笠山など)

 


赤い、チャ-ト石

 

小笠山の沢や尾根で赤い石を見ることがある。この石はチャ-トといい、遠洋の深海底に堆積した放散虫というプランクトンの死骸から出来ている。微量の酸化鉄により赤色になったとのこと。

チャ-トは南アルプスの赤石岳周辺、東側の赤石沢に多く、小笠山が大井川の河口の隆起により形成された証しでもある。