小笠山の魅力


小笠池と遊歩道、隧道(素掘りのトンネル)、吊橋、浮桟橋等について

小笠神社の下方に小笠池があり、池を一周する遊歩道や浮桟橋、野鳥観察小屋などが整備され、四季を通して楽しめる。今回は周辺施設を紹介する。

 

1 小笠池について

小笠池は、掛川市街地から南方向約3キロに位置し、農業用水の安定的な供給を目的として、下小笠川用水改良事業により、昭和2 7年から昭和3 9年にかけて設置された。築造から年数を経過しているが、現在においても旧大東町上土方(かみひじかた)地域の農業に利用されている。

施設の特徴は、小笠山ハイキングコ-スの一部に取り込まれているなど、自然と一体となっていることが上げられる。豊富な植生に恵まれ、多くの野鳥も観察されることから、遠方からバ-ドウォチャ-も訪れる場所となっている。また、池に設置された浮桟橋からも自然あふれる景観が楽しめる。池の周囲に築造時に設けられた仮設道路には、隧道が3箇所残され、池堤の下には駐車場があり池堤まで通じている。途中にある隧道は、出入り口付近はコンクリ-トで覆われているが、内部は当時の素掘りの構造のまま残されている。

築造は昭和27年(1952年)着工、昭和39年(1964年)に完成したとある。(静岡県のHP等より)

 

2 隧道(素掘りのトンネル)について

小笠池沿いの遊歩道には、小笠池築造時の仮設道路として建設された隧道(素掘りのトンネル)が3箇所ある。

素掘りのトンネルのことは地元の古老から「土方村の時代、小笠池の築造で山に入れなくなるのでトンネルを掘った。6 0数年前に地元の人が掘った」と当会の増田豊会員は聞いたと述べている。

この素掘りのトンネルは暗く、路盤には深い溝があるなど荒れているので、ライトを照らし足下を確認し転倒しないように気を付けたい。また大雨の後には水溜まりが発生するトンネルもあるから注意したい。

 

3 小笠池の矢矧橋(やはぎばし)について

矢矧橋は「小笠山憩いの森事業」として、静岡県中遠農林事務所が昭和55年(1980) 3月に建設し、平成8年(1996)3月に吊橋の改修が行われている。

当会では老朽化した矢矧橋の点検と整備を県に要望している。なお、吊橋は少人数で静かに橋の隅を歩きたい。

 

4 小笠池の浮桟橋について

平成6年、大東町が県の補助を受けて設置した。池に浮かぶ浮桟橋から眺める景観とともに、水面のゆらめきが施設天井に映るときもあるなど、ゆったりした時が楽しめる。現在、施設は掛川市観光・シティプロモ-ション課が管理している。

 

5 遊歩道、見晴台

小笠池を一周する遊歩道は自然を楽しめるが、隧道は暗く、滑りやすいところなどもあり注意が必要。遊歩道の途中から登ると見晴台があり、小笠神社が望める。

 (文責中山幸男)